『幼年期の終わり』|SFの巨匠が描くワンダーワールド
今回のレビューは『幼年期の終わり』。
SF界の3巨頭の一人アーサー・C・クラークの名著です。
このタイトルは知らずとも『2001年宇宙の旅』はかなりの方がご存知ではないでしょうか。
『星を継ぐもの』と肩を並べるほどの名作中の名作、必読の一冊です。
こんな人におススメ
- 宇宙人は絶対いると信じている人
- 人類の行く末が気になってしまう人
- センスオブワンダーって何だろう?と思っている人
これを読んでイマイチと思う人は他の多くのSF作品も共感しがたいのではないかと思います。
このご時世に読んでも斬新に思えるストーリーを堪能してください。
評価
【30ポイント】
SFに慣れていないと少し敷居が高いと感じるかもしれません。
が、そこを乗り切って最後までよんだ時タイトルの意味がグッと沁みてきますよ。
『幼年期の終わり』|基本情報
作品名(原題) | 幼年期の終わり (Childhood’s End) | |
---|---|---|
著者 | アーサー・C・クラーク (Arthur Charles Clarke) | |
刊行年(英国) | 1979年4月 (1953年) | |
ページ数 | 390ページ | |
出版社 | 早川書房 <ハヤカワ文庫SF 341> | |
ジャンル | ファーストコンタクト |
あらすじ
人類が宇宙へ向かって旅立とうとしたその瞬間、突如として世界の主要都市上空は未知の巨大宇宙船に覆われる。
その瞬間、人類の長年の夢だった宇宙への進出は脆くも崩れ去ってしまう。
地球の文明を遥かに上回るそれらの船団を率いてやってきたエイリアンの目的とは何なのか?
”彼ら”はただ、人類同士争う事やその他の破壊活動を厳格に禁じ、それ以外に関してはひっそりと監視を続けるだけ。
月日は流れ、やがて世界に平和が訪れるが、”彼ら”の目的は未だ明かされることはなく。。。
主要登場人物
『幼年期の終わり』|推しどころ
人によっては読みづらいかも知れませんが
大きく3部構成となってます。
・第一部 地球と上帝(オーバーロード)たち
・第二部 黄金時代
・第三部 最後の世代
各パートで主要な人物が変わります。が、気にせず読み進めてください。
SFでは物語が壮大になるほど時間の往来が激しくなります。
慣れていないとそれまでの主人公が突然姿を消してしまって「あの人どうなった?」って取り残された感じになっちゃいます。
大抵の場合、そのあと出てくることは無いので忘れてOKです。
各部でキッチリと場面分けがされているのでそれほど詰まることなく読み進められると思います。
オーバロードの目的、人類の未来の行方、最後の瞬間に静かな興奮を覚えると思います。
宇宙人ってホントに居るの?
大宇宙の片隅の銀河系、そのまた外れにある太陽系の小さな惑星地球。
そこに人類が存在する。
それだけでも宇宙人がいることの立派な根拠だと思います。
中には地球より遥かに進んだ文明を築いた生命体が居たってなんの不思議もない。
そんな連中がこぞって地球に来たとしたら?
恐ろしくもあり、興味深くもある話です。
お父さんに是非読んでほしい!
小さなお子さんを持つお父さんにはじっくり読んでほしい。
私、子育て真っ最中にこれを読み、しばらく放心状態。
今のうちに精一杯愛情を注いで子供に接していこうと心に決めました。
そう思わせてくれる一冊です。
まとめ
人によってそれぞれ意見はあるでしょうけど、自分の中では間違いなくクラークの最高傑作。
ただただその構成の素晴らしさに敬服するばかり。
とりあえずこの本とホーガンの『星を継ぐもの』は墓場まで持っていきたい2大作品確定。
どちらもタイトルからして秀逸。
読んだ後にハッとその意味を気づかせてくれます。素敵。
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