SES (System Engineering Service)という働き方があります。
自分もそうした会社で働く40代後半の崖っぷちSEです。これまでさまざまな常駐先を経験し、時に過酷な荒波にもまれながら生きてきました。
そんななかでメンタル不調を機に2回休職したこともあります。(プロフィール参照)
これからSESで働こうと考えている方や、既に働いている方、SESという働き方に不安を感じている方、そうした方々のプラスになればと思い自分の経験を書いています。
SES (System Engineering Service)とは
SES は System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の頭文字で、エンジニアをクライアント企業へ派遣し対価を得るサービスのことです。
SES を事業主体とする会社をSES企業、クライアント間と取り交わす契約のことをSES契約と呼びます。エンジニアの契約形態として、請負契約や派遣契約などと比較されることもあります。
以下の記事で詳しく解説しています。
SESという働き方
SESは雇用上は一企業の社員として扱われます。
しかし実態として、その会社内で働くことより受け入れ先で作業することの方が圧倒的に多いです。
派遣社員とは異なりますが、傍から見れば似たような業務体系に思われがちです。
ただし派遣社員は派遣会社に登録して仕事を請け負うため、ある程度選択肢があるのに比べ、SESではその企業の規模や実績などによって選べる案件が劇的に変わってきます。
また案件に参画していないときでも正社員扱いなので一定の給料は保障されています。
SESはなぜ止めとけと言われるのか
上で述べたように一般的な派遣業務と異なり、SESは企業の善し悪しによって選択できる案件の幅が大きく異なります。要は得意先・営業先次第。
得意先が沢山あればそれだけ多くの案件を紹介してもらえますし、待遇などもアップします。
ところが自分のような末端のSES会社にうっかり入ってしまうとこうはいきません。
選べる案件などは皆無に等しいです。
基本的には、あるタイミングで要員募集がかかると、その時たまたま社内で持て余している人間がエントリーすることになります。
このとき運よく2,3件の募集が重なればその中から選ぶことも可能ですが、それとて自分が本来やりたい業務とマッチしているかどうかはフタを開けてみるまで分かりません。
そうした運要素が大きなウェイトを占めるのでSES(特に中小)はやめておけと言われます。
SES=悪ではない
「SESはやめとけ」はある意味ではその通りなんですが、必ずしも悪いとは言えない部分もあります。
その一つとして、間口が広い! 20代ならおおよそどんな人でもウェルカム状態。
30代前半で業界未経験な人でもそこそこチャンスはある業種だと思います。実際うちの会社はそういう人もたまに来ます。
とにかく仕事したい!とか、一時的な繋ぎ仕事と割り切って入ってみるのは、まぁアリでしょう。
さらに案件とやる気次第でスキルアップすることも可能なので、そうした部分をプラスに捉えられればSESもそれほど悪いものではありません。
SESで働く意味
キャリアアップの時期と割り切る
もしあなたがSESで働きたいと考えているなら、キッチリとキャリアプランを立てておくことが大事です。
具体的な目標を持ち、獲得したいスキルが一通り得られたと思ったら即刻鞍替えするのが賢明です。
早ければ早いほどその後の人生は明るく開けたものになるでしょう。
※残念ながら自分は真逆をいってますが、、、汗
辞めることを躊躇しない
SESである程度働いたとして、適切なキャリアが築けたのであれば辞めるのに躊躇してはいけません。
理由は3つ。
- 生涯続ける仕事ではない
- 得られるものが少ない
- 居場所がなくなる
詳細に見ていきましょう。
40代、50代で客先常駐できますか?
SESは基本的に客先でお仕事します。これは大前提。
もちろん持ち帰りの案件を獲得して、社内で作業するというケースも無いわけではありません。
しかしそれも契約満了となればまた新たな客先へ行くことになります。
延々とこれの繰り返し。 30代~40代前半くらいまではそれも問題ないでしょう。
しかし50代~定年間際となって客先で仕事する姿を想像できますか?
もう少し安定した環境で働きたいと思いません? 少なくとも自分はそう思います。
まぁ人によっては色んな場所で働けて、刺激を受けると感じる方もいるでしょう。
でも現場の客先で自分より10や20も年下の人間に囲まれて、指示を仰ぎながら作業ってどうなのかなぁって思わずにはいられません。
スキルアップの幅が少ない
年齢的に若いうちはいろいろな経験を積んでスキルアップが可能です。
ただしこれも案件に恵まれたらの話。
カスなプロジェクトや炎上案件にあたりでもしたら、得られるものより失うものの方が大きいです。
なので案件が選べない中小SESはより致命的なハンデになってしまいます。
受け入れ先の問題
ベテランになるにつれスキルや効率がアップするのは言わずもがなです。
そういう意味で有利な点も増えはしますが、逆に年齢が不利に働くケースも出てきます。
特化した技術や幅広い知識があれば問題ありませんが、結局これも案件とのマッチング次第です。
スキル的に微妙な場合は大体において若い人間の方が選ばれます。受け入れ側としてはその方が御しやすいですからね。
自社で雑用しながらマッチする案件を待つ日が続きます。これはこれで結構しんどいです。
SES社員は外で仕事してなんぼですからね。
40代で客先常駐ってどうなの?
弊害は大きい
自分の場合このような働き方を長年続けてきた結果、ミスマッチ案件や炎上案件を幾度も経験することによる弊害としてメンタル不調をきたしました。
とくに環境変化によるストレスと人間関係の構築にはことさら悩まされました。加えて要求レベルが著しく高い現場だったりすると、あっという間にメンタルやられます。
それが蓄積されると最終的にうつになって、休職という流れに陥ります。
実際私は2回の休職を経験し、現在もまだうつと闘いながら現場に出ている状況です。
出来て当然と思われる
人によって程度の差はありますが、40代だと一般的にはベテランの領域です。
なので行く先々で相応のパフォーマンスを求められます。(単金はそれほど高くなくても)
20代そこそこで仕事も覚えたてであれば色々と聞きながら進めることもできますが、一定の年齢を超えると「そんな事も知らないの?」的な目で見られることもしばしば。
こうなるとかなり慎重にならざるをえません。特に自分みたいな人見知りで内気な人間にはコレがなかなか難しくなってきます。
自信を築くのが大事
スキルアップと同様に築いておきたいのは、確固たる自信。
SEの仕事は、お客さんの要件を汲みとる事からそれをシステムに落とし込むまでの設計書作成など様々なフェーズがあり、その都度レビューを行って精度をあげていきます。
このレビューでいろいろとツッコミをうけたり、指摘をもらうことがあります。
その際に自信をもって的確に返せるように自分の思考を磨いておくことが重要になります。
自分は2度の休職に陥りそれがもとですっかり自信喪失している状態です。こうなるとなかなか自信を取り戻すのが難しく、それがもとで今の仕事にも支障をきたしている状況です。
自信とスキルが身についたら迷わず転職
目標到達は30代を目途に
自分のように会社にしがみついたまま40代になってしまうと、立ち行かなくなります。
そうなる前、できれば30代のうちに見切りをつけて転職するのが上策です。
IT業界では35歳がひとつの区切りとされています。ITで芽が出なかったとしても、この歳ならまだ他の業界でもチャレンジ可能ですし、スキルが身についているならそこそこの企業に入れる余地もあります。
本気で転職を考えるなら
新卒の方は
最後に
長年経験してきても自分のように病気でそれまで築いてきたものを一気に失う可能性もあります。
また、あるタイミングで給与も頭打ちになってきます。
そうなる前、自信とモチベーションがみなぎっているうちにとっとと見切りをつけましょう。
引き止めや妨害があるかもしれません。でも、その先に明るい未来が見えますか?
じぶんが本当にやりたい事があるなら、そちらを優先した方が絶対に幸せです。
最後まで読んでくださりありがとうございます。少しでもお役に立ったなら幸いです。
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